重岡くんオタクの今まで




初めまして。

私は重岡くんのオタクです。

好きになって今年で5年目になりました。


重岡くんとの出会いと、重岡くんがかけてくれた沢山の言葉や、重岡くんがいてくれたから頑張れたことを重岡くんを“キミ”に見立てて、書いてみました。



私の葛藤だらけの毎日を救ってくれて、彩ってくれたのは他でもなく重岡くんでした。




拙い文章だとは思いますが、是非最後まで見て頂けたら嬉しいです。


重岡くんが作詞作曲した歌や、重岡くんの名言がちょこちょこ登場します。











【平行線】









出会いは突然だった。

キミは私の前にパッと現れたのだ。

俺はずっと近くにいたよと言わんばかりの眩しい笑顔を私に向けていた。

悪い気はしなかった。

寧ろ嬉しかった。

どこか昔から知っているようなそんな気がするがたぶん気のせいだろう。

私はよく予想が外れるのだ。









キミが現れた時は、私は部活に熱中していた。

なんの部活か分かる?なんて質問をしても一発目ではあまり出てこない、そんなに派手なスポーツではない。

陸上競技

だけど私は陸上競技が大好きだ。

よく、走ってて何が楽しいの?とこの定型文が人間の脳内に生まれた時から埋め込まれているのかとでも思うほど色々な人に聞かれたが、なんと答えれば良いか分からず、言葉を詰まらせたことは多々ある。

正解なんて分からないが、好きだから走ってるだけだよ、と一言言うと、ふーんとつまらなそうに言葉を返してくる。

いや、あなた達が聞いてきたのにとは思う。

まあ人間誰しも、他人の好きなことに関しては対して興味が無いのだろう。

私は好きな人以外の興味は皆無。

親にも心配されるほど、人に興味が無い。

だって好きな人の情報しかこの脳みそに入れたくないから。

誰しもそうじゃないのか?と私は思う。







私は陸上競技に熱中はしていたものの、結果はパッとしなかった。

推薦入学だったのに、そうじゃない子達にも負けて悔しかった。

けど顧問からは「お前は悔しそうな顔を見せない」と言われたことがあった。

正直分からなかった。

自分を出すのが怖かったのかもしれない。

練習も心も苦しくて、心の帰る場所なんて本当はないのに楽しいふりをしてた。

今思えば凄く馬鹿だった。

そんなの逃げ出しちゃえよって思うけど、逃げたら負けだと思う変なところに負けず嫌いだったからそんな考えはなかった。

そんな時キミは

「俺、何かに夢中な人ってなんか輝いて見える。」

と呟いた。

キミのこの言葉に凄く救われた。

そして顧問には、必死になるな夢中になれと言われた。

当時の私は必死と夢中を履き違えてた。

「必死になったら必ず死ぬんだね」なんてそのまんまに訳して笑ってるキミが近くにいたから、私は夢中になれたんだ。

そしてキミは

「頑張れなんてたくさん言われてるし、言われなくても頑張ってるんだから俺は言わないよ。そのまんまでいいんじゃないの?」

と言ってくれた。

何かに縛られていた胸があっという間に解放されて心が軽くなった。

キミの言葉は魔法みたいだと思った。



最後の大会で自己ベストは出せなかったけど、私の今まで努力してきた時間は無駄ではなかったと分かるほど私の気持ちは晴れ晴れとしていた。

私の青春を、走りを、ちゃんと魅せられたから。









ある日キミが泣いていた。

とても珍しかったけど、キミは多分無理をしていた。

私はキミの弱さに気付けなかった。

好きなのに。

不甲斐ない。

キミは泣き止んでも上の空だった。

私は悩んで、苦しんでいるキミを抱きしめたかったけど出来なかった。

だからキミの手の甲に花丸を描いた。

大きな花丸を。

キミは少し驚いてその後私を見て、いつもみたいに笑ってくれた。

夕日が、“今日もお疲れ”と言わんばかりに私たちを照らしていた。

キミは涙を拭い、空を見上げ

「僕は僕で僕なんだ。」

と呟いた。




「間違っちゃいないよ。誰も。」

キミの顔にはそう書いてあった。

誰も悪にしない、そんなキミを私は好きだけれど、キミを苦しめてしまうのなら、私が悪者になって世界中が敵になってもいい。

キミを守ることができるのならば。











初めてキミとデートすることが決まった。

楽しみすぎて毎日パックもして、食生活も気を付けた。

肌も綺麗になって体重は3キロも減っていた。

キミとのデートが楽しみすぎて、こんなにも自分は変われるんだとなんだか嬉しくなった。

キミの存在は私をいい方向に導いてくれた。



キミとのデート場所は少し遠かったので、朝早くの電車に乗り込んだ。

人は全然いなかったけれどそんなの気にならないくらいワクワクしていた。

電車の中でキミが教えてくれた曲を聴いていた。会っていなくても、キミを感じたかったから。

デート場所に着いてもまだ少し時間は早かったので、キミが好きなパンを買っていこうと思った。

凄く人気なパン屋でかなりの時間並んだが、この後のデートが楽しみで、あっという間に時間は過ぎた。



キミとの待ち合わせ時間まであと10分。

私は身支度を整え、待っていた。

10分後、キミの影が近づいてきた。

どんどん大きくなっている影を見つめていた。

「最強に元気なやつの登場だ!」

と言いながら嬉しそうな顔でキミは私の前まで来た。

初めてのキミとのデートだから緊張していたけど、そんなキミを見て顔が綻んだ。



キミとの初めてのデートはずっとキラキラした特別な時間だった。

夢みたいな感覚で、キミの見てる景色を一緒に見れてそれだけで幸せだった。

一生この時間が続いて欲しい。

終わらないで欲しいと思った。

キミが向けてくれた視線が照れくさくて、だけど嬉しくて今でも忘れなれない。

ずっと忘れたくない。

あの瞬間は私だけの宝物として心の宝箱に閉まっておくことにした。

もちろんキミには内緒で。











夏が過ぎ、秋が来た。

気付いたらキミはバレー部に所属していた。

別に私たちは付き合ってはいないし、キミの好きなようにすればいいんだけれど、なんだかキミが遠くなった気がして寂しくて勝手に距離を置いていた。

キミがどんどん進化していく中で私だけその場で足踏みしているようだった。

自分では進んでいる気でいるのに空回りしていて1歩も進めていない、そんな気がしていた。



だけどキミを見つけると目で追ってしまうし結局私はキミが好きなんだと気づいた。

キミはバレー経験は無かったがバレーのことをしっかり勉強し、点を取られても誰かを責めることなく、前向きな言葉をかけていた。

そんなキミが私には眩しかった。

私のなりたい理想像がキミだったから。

私はまだそんな人になりきれてなくて、だからキミを遠く感じていたのだろう。

私のそんな感情でキミと距離を置いていたことがバカバカしくなった。

キミはずっと私のそばにいてくれたのに。



キミが私に気付いて近づいてきて、

「俺はまだ夢の途中なんだよ。」

そう呟いた。

私もそうだった、私とキミはまだ夢の途中。











私はずっと自分に自信がなかった。

そんな中での就職活動は私にとって拷問だった。

履歴書の自己PRが苦手だった。

自分を好きじゃない人がどうやって自分のいい所を書けばいいのだろうか。

悩んだ挙句、努力家な所を挙げて履歴書を出した。

無事書類選考を通って面接に行くことになった。

面接の日は朝から緊張して、今にも涙がこぼれそうだったけれど、キミからメッセージが来た。

「完璧じゃ疲れちゃうよ」

頑張れじゃない、キミらしい応援のメッセージだった。

自分らしく行こうと、面接会場の扉を引いた。



結果はダメだった。

手応えも無かった。

落ちたと思っていてもいざ通知が来ると、自分を全否定されたようで心がしんどかった。

キミからは沢山のメッセージが来た。

どの言葉も私の癒えない心の傷に染みて、涙が止まらなかった。

キミの言葉が優しくて、自分のダメな所が更に大きく見えてしまった。

次の日、学校を休んだ

友達と先生に嘘をついた。

もちろんキミにも。

だけどキミは私の嘘を見破っていた。

キミから着信があった。

もしもしでも大丈夫?でも無くキミは

「別に逃げる事が絶対に間違ってるわけじゃないって俺は思う。」

それだけ言って電話は切られた。

たった一言だけだったけどキミからのその言葉がどん底だった私を救ってくれた。

今日も生きられてるのはあの日のキミのこの一言だったのかもしれない。

そう思うほどあの頃の私にとって大事な言葉だった。











キミがくれた言葉たちのおかげで就職が決まり、卒業式当日になった。

キミは私にある歌を教えてくれた。

その歌はお別れの歌だったけれど、涙なんか引っ込んでしまうほど明るい歌だった。

凄くキミらしい歌だった。

キミがこの歌を聴く時に誰を想っているのかは何となく気付いていた。

だから私はお決まりのピースをしながら君とお別れした。

また思い出し笑いできるその日まで。














卒業して2年が経った。

キミとはこの2年間会うことは無かった。

お互いの誕生日をメッセージでお祝いするくらいだった。



久しぶりのキミとのデートだった。

いざキミを目の前にすると、好きだという気持ちが込み上げてくる。

だけどあの頃の距離感はなく、お互い大人になったなと実感した。

キミは自分のお父さんのことについて話してくれた。

愛の溢れた素敵なお父さんだということがキミの言葉から感じ取れて、途中で泣きそうになってしまった。

キミが素敵なのはお父さんやお母さんも素敵な人だからなんだなと、キミのことをまたさらに知ることが出来て嬉しかった。

だけどそれと同時に、キミは私のことを好きになることはないんだなと思ってしまった。

それならいっそ、キミのことを嫌いになりたいと思ってしまった。

本当に私は自分のことしか考えられない最低な人だ。

キミとのせっかくのデートなのに。

楽しいはずなのに。



別れ際、

「明日も頑張ろう。俺も頑張るから。」

とキミは私に言ってくれた。

キミの顔が、その言葉が優しくて、私はまた君に恋をした。

たぶんキミを嫌いになることなんかないだろう。

私はずっとキミが好きなんだろう。

永遠なんてないのかもしれないけど。

私はキミをずっと好きでいたい。

好きでいる。









キミは近くて遠い。

遠くて近い。

そんな不思議な存在だった。

キラキラした毎日とか、将来の夢とか、生き方、考え方、そんな沢山の目に見えない大切なものをキミは私にくれたり、教えてくれた。

キミが苦しくなった時や、辛い時に支えたり勇気を与えることは今のちっぽけな私には出来ないけど、キミに感銘してこうして動かされている人は、確かにここに一人いるし、絶対にキミに出会って変われた人がいると思う。



キミがいつか私に言ってくれた

「迷っているのはどっちも正解だからだよ。最後は選んだ方を正解にすればいい。」

という言葉が忘れられない。

君の優しさも強さも、全部ギュッと詰まっていて、辛いことも苦しいことも乗り越えてきたキミだからこそ、送れる言葉だなと思った。









キミの傍にいるのは私には勿体ないけど、ずっと傍にいて欲しい。

私の好きな人として私の傍にいて欲しい。



キミに出会えたこの世界で私は生きられて幸せです。










キミは私の太陽で、道標のような人だった。

私もそんな大人になりたいと思った。

いつか君と交じあえるような人になりたい。

一瞬でもいい。交点でもいい。

水溜まりに映った月を見ながらそう思った。










またキミに会いたい。